薬剤部
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薬剤部の理念
薬剤部の基本理念は
- 多様化・専門化する医療の中で患者のもとに薬を安全に提供すること。
- 患者が薬を安心して服用・使用して頂けるよう十分な支援をすること。
- 地域医療を担う基幹施設としての役割を常に考えその使命を果たすこと。
その実現に向けてスタッフ全員が一丸となり、日々の業務に取り組んでいます。私たちは医薬品のエキスパートとして診療部門、事務部門、看護部門、他のコメディカル部門と連携し、医療チームの一員として薬物療法の面から医療に貢献しています。
また、患者とそのご家族のQOL(Quality of life(生活の質))の向上と、患者に適切で安全な薬物療法を提供し、市民の保健医療の増進に寄与すべく努力しています。
更には薬学系大学の学生を受け入れ、実習の場を提供し学生指導も行っています。
スタッフ数
(令和6年4月現在)
本院 薬剤師 33名
事務員 4名 (会計年度職員)
鹿島台分院 薬剤師 2名
岩出山分院 薬剤師 2名
鳴子温泉分院 薬剤師 2名
業務内容
調剤業務
外来・入院患者に処方された薬の調剤に加え,院内薬局窓口で患者ごとに必要な情報提供を行っています。また,サリドマイド製剤取扱いに伴う管理センターと連携した調剤・レジメン管理等などの業務を担い、患者の病態に応じた治療が円滑に進むようサポートしています。また、医療用麻薬が処方された外来患者に対し、医師の依頼の下に服薬指導を行っています。院外処方・院内処方問わず対応しています。
薬品管理業務
院内で使用する医薬品の購入と各部署への払い出し、在庫管理を行っています。また、入院患者に使用する注射薬を個人ごとに取り揃えています。その際、投与量や投与経路、混合による配合変化、重複投与、併用禁忌等の確認を行い、注射薬を安全に使用できるようサポートしています。
病棟薬剤業務
入院患者のベッドサイドへ行き、薬の効果・服用方法・注意点・副作用の説明や確認などを行っています。患者に薬の理解を深めて頂き、不安を取り除き安心して治療に専念できるよう努めています。
併せて薬の飲み合わせや市販薬に関することなど、日頃から疑問に思っていることもその都度対応しています。病棟で医師、看護師、その他医療スタッフと連携を取りながら、
患者の治療に携わっています。
注射調剤業務
外来・入院患者に処方された抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)や抗リウマチ薬の混注、薬剤の投与を時系列に示したレジメン(治療計画)の管理・登録を担当しています。患者の治療が安全に行われるように、治療当日には検査値や薬剤の投与量、休薬期間、併用薬の有無、副作用の確認を行っています。
医薬品情報管理業務
医薬品に関する情報の収集、評価、管理を行っています。緊急性の高い情報などは院内の医療スタッフへ早急に周知します。他に医薬品の採用や整理薬の検討、患者や医療スタッフからの薬の問い合わせへの対応を担当しています。
製剤業務
治療や検査などに必要であっても安定性等の問題により市販品として販売されていない製剤があります。当院ではこのように医療上必要な製剤を医師からの依頼により、特別な処方に基づき院内製剤として調製を行っています。医療現場におけるニーズに応え、患者の薬物治療を支えています。
入院前薬剤相談
予約入院される患者さんへ、入退院管理係で使用中の薬剤を確認しています。入院前に処方されている薬剤やサプリメントを確認することで、入院後の安全な薬物治療に繋げています。同時に術前休薬の確認・説明も行っています。
TDM(治療薬物モニタリング)業務
薬の効果や副作用の発現は体内に存在する薬の量に左右されます。しかし患者ごとに代謝・排泄と呼ばれる、薬を体外に出す能力が異なるため、薬が効く人や効かない人、副作用が発現する人や発現しない人が出てきます。TDM業務は血液中の薬の濃度と代謝・排泄能力を考慮し、患者ごとに適切な薬の量を計算することで効果的かつ安全な治療をサポートします。
薬剤部勉強会
常時最新の医薬品情報を共有するため定期的に勉強会を開いています。
また、学会発表の予行練習や、学会・研修会等の参加報告を行うことで、薬剤部全体の意欲向上につながっています。
実習生の受け入れ
薬学5年生の長期実務実習を年間通じて3期にわたり受け入れています。実務実習モデル・コアカリキュラムに基づいた実習を行い、薬剤師の指導のもとに実際に患者への対応も行っております。この実習は明日の病院薬剤師を育てる役割を果たしております。皆様のご協力もよろしくお願いいたします。
チーム医療への参加
NST(栄養サポートチーム)
薬剤師としての専門性を生かしながら、特に静脈栄養の処方設計支援や病態に応じた経腸栄養剤の選択などをはじめ多職種と連携し栄養療法全体をサポートしています。(薬剤師2人所属)
ICT(感染制御チーム)・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
院内の抗菌薬使用状況を把握し、患者に適した種類の抗菌薬が処方されているかを確認しています。また薬剤耐性菌(抗菌薬が効かなくなったバイ菌)が発生しないように監視しています。(薬剤師4人所属)
緩和ケアチーム
がんと診断された早期から、がん患者・ご家族のトータルペイン(全人的苦痛)に対応していけるよう薬物療法に携わっています。(薬剤師3人所属)
糖尿病療養指導チーム
糖尿病患者のライフスタイルに合わせて薬物治療を継続できるよう、また糖尿病の合併症の発症を予防できるようサポートしています。(薬剤師1人所属)
資格取得状況
(令和6年4月現在)
- 日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 3名
- 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 2名
- 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 1名
- 日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法認定薬剤師 1名
- 日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士 2名
- 宮城県糖尿病療養指導士認定委員会 宮城県糖尿病療養指導士 1名
- 日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 1名
- 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 5名
- 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 5名
- 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 4名
- 日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症マネージャー 1名
- 日本腎臓病協会 腎臓病療養指導士 1名
- 日本病院会 医療安全管理者 1名
施設認定
(令和6年4月現在)
薬学教育協議会 薬学生長期実務実習受入施設
日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修病院 認定証
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師研修事業暫定研修施設 認定証
薬剤部 初期研修プログラム
薬剤部では、病院における薬剤業務に関する知識と技能だけでなく、社会人・病院職員としての姿勢の理解を目標に1年を通してプログラムに沿った教育を行います。各部門をローテーションし、調剤や監査、注射個人セット、抗がん剤の調製、持参薬鑑別、電話対応、患者対応、電子カルテの使用方法などを実践で学びます。安全で適切な医療を提供するため、習得した知識、技能、姿勢から様々な課題を解決できる人材の育成に取り組んでいます。