省エネ・災害対策について
当院は,東日本大震災の被災経験をもとに,省エネルギー性と防災対策を両立させた設計となっています。
1 省エネルギー対策について
再生可能エネルギーの活用
太陽光発電
玄関ひさしの上部や本館屋上,エネルギーセンター屋上に太陽光発電パネルを設置。最大59KWの発電が可能です。
ペレットボイラー
当院では蕪栗沼産のヨシや鳴子産の間伐材を原料としたペレット(小粒の固形燃料)を使用したボイラーを設置し,給湯装置として使用しています。
太陽光パネル本館屋上
熱負荷の軽減
屋上緑化
空調の負荷低減と景観構成を兼ねて,屋上テラスを利用して緑化を図っています。
Low・E複層ガラス
複層ガラスの内面部に特殊な金属膜が設けられた断熱性の高いガラスを使用し,冷暖房を外に逃さないような工夫がされています。
屋上緑化
高効率化
無影灯・一般照明器具のLED化,省エネ空調機
一般照明器具だけでなく,無影灯についてもLEDを採用しております。照明には,地元企業である『ヤマセ電気』で製造しているLED照明を1500台以上使用しています。また,高効率の空調機器を採用しています。
LEDの無影灯
2 防災対策について
建物の強化
免震構造(本館)
9階建ての本館は,免震構造を採用。
免震装置として,天然ゴム系積層ゴム(薄いゴムシートと鋼板を交互に積層して接着したもの)を108台,弾性すべり支承(ゴムの変形とすべり材による滑りにより,水平方向の地震力を弱める装置)を22台,剛すべり支承(免震建物により高い免震性能を与えるための装置)を21台,オイルダンパー(油の粘性を利用して衝撃や振動をやわらげる装置のこと)を28台配置しています。
耐震構造(エネルギーセンター)
3階建てのエネルギーセンターは,耐震構造を採用しています。
ライフラインの強化
電力供給
電力は,2回線の電源を受電する方式を採用しています。これは,電力会社から本線と予備線の2系統で受電し,どちらかの系統が停電した場合でも,もう1つの系統から受電できる方式です。重要な機器については,UPS無停電電源装置(二次電池などの電力を蓄積する装置を内蔵し,外部からの電力供給が途絶えても一定時間決められた出力で外部に電力を供給することができる装置)にて給電します。
無停電電源
非常用発電装置
1000KVAのディーゼルエンジン発電機をエネルギーセンター屋上に2台設置。燃料は,最低3日間の電力を発電できる量の備蓄をしております。
都市ガス供給
高い耐震性の中圧にて都市ガスを供給します。
井水の利用
エネルギーセンター1階に井水処理装置を設置しています。これは地下水を,上水や雑用水として使用できるよう,ろ過するためのものです。井戸の系統は2重化しています。
非常用発電機
エネルギーの供給機能
電気,都市ガス,A重油,井水,再生可能エネルギー(太陽光・ペレット)などのさまざまな燃料を使用して,電力,冷水,温水,蒸気などのエネルギーを安定供給します。また,機器を複数台設置して,効率よくエネルギーを供給します。
災害対応型自動販売機の設置
災害対応型自動販売機とは,ライフラインが途絶えた際に,無料で飲料を提供する自動販売機のことで,緊急時飲料提供ベンダーとも呼ばれます。院内の清涼飲料水用自動販売機すべてが,災害対応型となっております。