院内教育制度
当院の看護教育には,キャリア開発ラダーを導入しています。 レベルごとの到達目標をクリアするために必要な院内研修を企画運営しており, 看護師一人ひとりが到達目標を目指し、課題や研修に主体的に取組める体制を整えています。 また,eラーニングを導入しており,自己学習の支援体制も充実しています。
キャリア開発ラダー
臨床看護実践能力と組織的役割遂行能力、社会人基礎力について段階に応じた到達目標を設定しています。レベルⅠからレベルⅤに加えて認定看護師ラダー・専門看護師ラダー、主任看護師以上のマネジメントラダーなど、看護スタッフと看護管理者がお互いに能力段階を確認しながら、自己研鑽や人材育成をするための有用なツールとして活用していくものです。
院内認定看護師制度は、専門職として質の高い看護を提供するため、特定の分野において必要な知識・技術・態度を備えた看護師を育成することを目的としています。院内認定看護師とは、各コースの研修を受講し、熟練した看護技術と知識を習得した看護師のことです。
新人教育及び研修会
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新人看護師到達目標
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1 助言を得て患者や状況(場)のニーズをとらえる
2 助言を得ながら,安全な看護を実践する
3 関係者と情報共有ができる
4 患者や周囲の人々の意向を知る
5 助言を得ながら,組織の一員として行動できる
6 社会人として責任ある行動ができる
7 助言を得ながら,自己の教育的課題を認識し,自主的に課題に取り組むことができる
研修会
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【新規採用者研修】
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【インスリン実技研修】
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【静脈注射研修】
開催月 | 研修内容 |
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4月 | ・新規採用者研修会 ・新人看護師研修(感染・医療安全・看護記録・接遇) ・電子カルテ操作 ・血糖測定 ・インスリン研修 ・静脈注射研修会(講義・実技) |
5月 | ・静脈注射研修(テスト) ・急変時対応 ・フィジカルアセスメント |
6月 | ・メンタルヘルス ・心電図 ・輸血 ・薬剤管理 ・3ヶ月振り返り |
7月 | ・急変時の対応(SBAR) |
8月 | ・BLS研修 |
9月 | ・看護必要度 ・せん妄研修会 ・看護必要度研修 ・6か月振り返り |
10月 | ・看取りの看護 |
12月 | ・入院前・退院支援研修 ・9ヶ月の振り返り |
3月 | ・1年の振り返り |
・令和6年度院内看護師研修会はこちら
eラーニング
当院では自己学習の支援として,eラーニングを導入しています。
看護技術チェックコースは、新人看護職員研修ガイドラインに沿い、準備・実践・記録まで学ぶことができます。
構成は1テーマあたり15分でテスト2問です。時短で使いやすく、すぐに理解度を確認できます。パソコン、スマホ、タブレットと使う場所も時間も選ばずいつでも使える簡単なシステムです。
看護研究
看護の質の向上のために,院内看護研究やケーススタディ発表会,学会発表など
看護研究を支援しています。
院内看護研究発表会
令和5年度院内看護研究発表会(全8症例)
部署 | テーマ |
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6階西病棟 | リーフレットを用いた絶飲食指導の効果 |
健診センター | A病院における健診後の二次検診対象者の受療行動の実態調査 |
4階東病棟 | A病院における社会的ハイリスク妊婦周産期支援スクリーニングシート導入の評価 |
岩出山分院 | 「おおさき地区医介連ネットワークシステム」MCSを活用した多職種連携 ~現状の課題と今後の活用方法の検討~ |
6階東病棟 | 心不全患者へのアドバンスケアプランニング取り組みに関する看護師の思い |
7階東病棟 | 乳がん術後の退院指導にあたる看護師が抱える不安 |
8階西病棟 | 血液内科ラダーに関する看護師の意識調査 |
救急病棟 | 倫理カンファレンスに対するスタッフの意識調査 |
ケーススタデイ発表会
自己の看護を振り返り専門性を意識した学習の目的でラダーレベルⅡのケーススタデイ発表会を行っています。看護師として大切な気づきや学びを発表してくれました!
プリセプター制度
新人一人ひとりにそれぞれ先輩看護師、助産師がついてマンツーマンで指導しています。プリセプターは仕事における指導や相談、精神的なサポートをする存在であり、安心して仕事が取り組めるよう支援しています。また、新人教育には「シャドーイング」を活用し、日々の看護を振り返りながらともに成長を目指していきます。
高度資格取得者育成制度
当院の運営に貢献する専門性の高い資格取得者(専門看護師、認定看護師など)を計画的に育成するための制度です。自ら学ぶ意思を持ち、所属長からの推薦を受け、院内審査会で認められた場合に適用となります。有資格職員の育成を強化し、院内の教育環境の向上にも努めています。
また、資格取得に要する教育期間中の給与を支給するだけではなく、資格取得に必要な費用(受験料、入学金、授業料、認定料、交通費、宿泊費など)を病院で負担します。
対象者の条件
・当院における勤務年数が3年以上
・勤務成績が優秀であること
・資格取得後も当院で勤務すること ・・など
資格取得助成制度
特定の医療分野において、個人の資格取得を推奨・支援するため、当院に貢献する資格を取得した場合に、資格取得のための受講費及び受験料等を対象として、10万円を上限に助成する制度です。助成金の申請には、所属長の承認が必要です。
主な取得資格
・助産実践能力習熟段階レベルⅢ
・日本糖尿病療養指導士
・新生児蘇生法「専門」コース ・・など
認定看護師等取得実績
令和6年1月1日現在
既取得者 | |
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緩和ケア認定看護師 | 2人 |
皮膚・排泄ケア認定看護師 | 1人 |
がん化学療法認定看護師 | 2人 |
集中ケア認定看護師 | 2人 |
感染管理認定看護師 | 2人 |
手術看護認定看護師 | 1人 |
救急看護認定看護師 | 1人 |
乳がん看護認定看護師 | 1人 |
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 | 1人 |
がん放射線看護認定看護師 | 1人 |
認知症看護認定看護師 | 1人 |
認定看護管理者 | 3人 |
合計 | 18人 |
専門看護師取得実績
令和6年1月1日現在
既取得者 | |
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がん看護専門看護師 | 1人 |
精神看護専門看護師 | 1人 |
合計 | 2人 |
特定行為研修終了看護師取得実績
令和6年1月1日現在
既取得者 | |
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創傷管理関連 | 2人 |
合計 | 2人 |
スペシャリスト・ジェネラリストの紹介
「スペシャリスト」とは、日本看護協会が認定する認定看護師や専門看護師で、特定の専門分野の豊富な知識とハイレベルな看護ができる看護師のことです。さらに糖尿病療養指導士や心不全指導士、リンパセラピストなど資格を取得し、質の高い看護を提供する「ジェネラリスト」がいます。
認定を目指したきっかけ
日本は2025年には高齢者の5人に1人は認知症になると言われ、誰もが関わる可能性があります。研修会で認知症に対する考え方や対応を学び実践したところ、穏やかに入院生活が送れた認知症の患者さんがいました。「出来る部分に視点を向けその人の持てる力を最大限に引き出す」認知症についてもっと勉強したいと思い、教育課程を受験しました。私は栃木県の獨協医科大学で勉強しましたが、同じ志を持つ仲間との出会いや学習環境は刺激的でした。当院では高度資格取得助成制度があり、金銭的な支援の他看護部や事務の方など沢山支えて頂きました。今後も認知症の方や高齢の方が安心して治療が継続出来る様、スタッフと共働し支援していきたいです。
感染管理認定看護師
感染管理認定看護師は、患者さん、ご家族、訪問者、病院で働く職員など病院内のすべての人々を感染から守る役割があります。院内で働くすべての職員が正しい知識と技術を持って、感染対策を実践できるよう多職種で構成される感染対策チーム、各部署の担当者と協働して活動しています。 また、特定行為研修を修了したことで感染管理の専門性に加えて臨床病態生理学・臨床推論・フィジカルアセスメント等、医学的判断の視点で診る力も身に着けることができました。 今後の展望として、感染症診療におけるチーム医療の活性化や病院全体の看護の質の向上に寄与していきたいと考えています。
脳卒中リハビリテーション認定看護師
2018 年に高度資格取得者育成制度を利用し資格を取得しました。制度があるため安心して資格取得することができました。現在は、脳卒中を発症し、運動麻痺や意識障害、嚥下障害、高次脳機能障害を抱えた患者さん家族に対し、多職種と連携して、その人らしい生活が再構築できるよう病棟スタッフと看護援助を行っています。 今後も患者さんが安心して入院生活を送れるよう支援していきたいと思います。
乳がん看護認定看護師
私が新人の頃、終末期の若年乳がん患者さんがおり、病室で結婚記念日を祝うことになりました。その時の先輩看護師の姿がとても印象的で、私も患者さんのニーズに寄り添えるようになりたいと思い乳がん看護認定看護師を目指しました。乳がん治療は多岐にわたります。乳がん患者数が年々増加している中、私は外来と病棟で乳がん患者さんと関わり、気持ちや考えを伺いながらその方にとっての最善を共に考え支援しています。
リンパ浮腫セラピスト
リンパ浮腫を発症すると、外見の変化や日常生活動作へ影響を及ぼしQOL(生活の質)の低下を招き、苦痛と精神的負担を伴います。 リンパ浮腫外来では、乳がんや婦人科がんでリンパ節郭清術を行った患者さんへ、リンパ浮腫に対する管理指導を行っています。セルフケア・スキンケア指導、リンパドレナージ、圧迫療法や弾性着衣の選定・着脱指導を行っています。患者さんがセルフケアを習得し継続することで、リンパ浮腫の予防と悪化を防ぐことができます。患者さん一人ひとりに合わせたケアを提案し実践することで、リンパ浮腫で苦しんでいる患者さんの救いの手となれるよう日々努力しています。
新生児蘇生法インストラクター
出生時に約15%以上の新生児が何らかの蘇生処置が必要な状況で産まれてきますが、適切な処置で新生児仮死の99%が蘇生できるといわれています。 地域周産期母子医療センターである当院では、蘇生が必要な場面に直面することが多く、インストラクターとして蘇生処置の振り返りや蘇生技術の指導を行っています。また、助産師全員が新生児蘇生法の認定資格を取得しており、年2回認定更新に必要な講習会を開催することで質の高い新生児蘇生を目指し活動しています。