くすりを通して人の役に立ちたい
小さい頃は体調を崩しがちで,病院を受診することが多かったため,将来は医療従事者になりたいという気持ちが少しずつ芽生えていました。医療従事者の中で薬剤師を選んだのは,薬はとても小さいにも関わらず,飲むだけで体調がよくなることを不思議に思ったのがきっかけでした。
現在は,腎臓・内分泌内科,循環器内科,整形外科などの病棟薬剤師として従事しています。外来や入院患者に処方された薬剤の調剤はもちろん,入院する患者さんの常用薬の確認と,その評価に基づく処方設計と提案,副作用モニタリング,退院指導を行っています。また,病棟における医薬品の適正な保管・管理,回診やカンファレンスへの参加,医薬品情報の収集、医師への情報提供などを通じて安心・安全な薬物療法推進に努めています。
コミュニケーションで信頼関係を築く
当院に入職したのは,生まれ育った大崎市に医療で貢献したいという想いと,県北の基幹病院である当院には診療科が多く,高度な治療を実施しているため,さまざまな疾患の治療に関われる環境があったからです。また,医師や看護師,管理栄養士,理学療法士など,多職種連携ができるのもメリットです。それぞれの専門的な視点からの意見交換や情報提供は,医療の質の向上につながることはもちろん,自身の視野・知識の幅が広がります。小さなことでも質問や相談をするように心がけており、普段からコミュニケーションは大事にしています。当院はスタッフ同士の雰囲気が良く話しかけやすいので,他の職種の友人と,食事や温泉に出かけることもあります。
患者さんに対して心掛けているのは,処方された複数の薬剤を用法ごとに1回で飲めるよう一包化して飲み忘れを防ぐなど,患者さん一人ひとりに寄り添った服薬指導を実施することです。患者さんやスタッフから,こういう情報が欲しかったと感じてもらえるよう,質問をされる前に情報を提供することも心がけています。
地域医療を支える存在に
薬剤部では,最新の医薬品情報を共有するため,製薬メーカーの医薬情報担当者(MR)を招いて医薬品の知識を学ぶことができます。講演会や学術集会は,近年,オンライン開催が多いため、遠隔地からも参加しやすくなりました。病院内には医療図書室もあり,気になったことはその都度調べ,幅広く病気や薬剤の知識を得るようにしています。
現在,骨粗鬆症マネージャーの資格を保有しており,骨粗鬆症の予防・診断・治療を提供するとともに,社会啓発活動が重要と考えています。院内勉強会などでスタッフの知識向上,および骨折で入院した患者さんの二次骨折予防にも力を入れており,骨粗鬆症リエゾンサービスというチームにも参加しています。また,腎臓病療養指導士の資格を取得したので,慢性腎臓病の進行を予防することで,心血管疾患の発症率の減少,新規透析導入減少を実現していきたいです。
高齢化社会において,骨粗鬆症と慢性腎臓病の患者数は増加傾向にありますが,どちらも予防することが可能です。そのため,これからは病院の枠を超えて,地域住民のみなさんに啓発活動ができたらと思っています。骨粗鬆症と慢性腎臓病を軸に,健康格差の縮小と健康寿命の延伸に貢献することが,これからの私の役割だと思っています。
8:30 ~ 9:00 |
勤務開始 | 薬剤部での朝礼後、夜間に入院した患者のカルテ確認を行います。 |
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9:00 ~ 10:00 |
薬剤管理指導業務 | 退院患者の情報収集および服薬指導を行い、カルテに入力します。 |
10:00 ~ 12:00 |
病棟薬剤業務 | 入院患者の内服薬・注射薬を確認し、相互作用の確認や副作用モニタリングなどを実施し、病棟定数薬の使用期限を確認します。 |
12:00 ~ 13:00 |
お昼休憩 | |
13:00 ~ 15:30 |
病棟薬剤業務 | 看護師と内服薬の個人セットを行い、TDM(薬物血中濃度モニタリング)業務や臨時入院患者の持参薬鑑別・面談・服薬指導などを行います。 |
15:30 ~ 16:00 |
腎臓・内分泌内科カンファレンス | |
16:00 ~ 17:15 |
薬剤管理指導業務 | 予定入院患者への服薬指導や内服薬の自己管理指導を行います。 |
17:15~ | 退勤 |