大崎市民病院Osaki Citizen Hospital

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一人一人の気持ちに向き合ったリハビリを│小野寺 可奈恵│リハビリテーション部本院リハビリテーション室
理学療法士

学生時代の実習がきっかけで入職を決意

大崎市民病院に初めて訪れたのは,理学療法士の実習の時です。リハビリテーションセンターのスタッフが,患者さまそれぞれの内面に向き合いながらリハビリを行う姿勢に衝撃を受け,すぐにこの病院の一員になるんだと心に決めました。リハビリは時に辛く,努力を強いられることもあります。だからこそ,リハビリのサポートは,各々の症状はもちろん,性格や生活環境,生い立ちや人間性などにも踏み込みながら行う必要があるんだと思います。同じ病気の方でも,人によって関わり方は全く違ってきます。一人一人に向き合ってリハビリのお手伝いをしたいという思いは,今の私の核になっています。

さまざまなジャンルのプロから知識を吸収

当院では,医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,病棟の主治医と看護師,ケースワーカーで大きなチームを組んで,連携を取りながら患者さまの回復をサポートしています。患者さまを複合的に見ることができるので,より綿密にリハビリまでの道順を作ることができます。この体制は,自分の専門以外の知識を吸収できるという点で,私自身にとってもプラスになっていると感じています。当院は総合病院なので,さまざまな診療のプロがいます。分からないところをすぐに聞ける環境は,自分の成長にもつながりますね。

「できた!」の笑顔を引き出すために

当院は急性期の患者さまが集まる病院です。実はこの病気になってすぐの急性期という時期にどのような関わりをしたかということが,その後の回復や患者さまの活動に大きく影響してくるんです。昨年,田尻診療所で1年間介護の現場に携わる機会を頂いたのですが,急性期のリハビリが適切に行われた患者さまは障害の程度にかかわらず,その後のリハビリもスムーズに行えるケースを多く経験しました。
リハビリには正解がありませんし,教科書通りのやり方には限界があります。そして,たとえ同じ病気でも,我々が普段対象とする患者さまの症状は一人として同じ人はいません。一日も早い回復と質の高い生活のためにも,一人一人の個別性を十分に考慮し,進めていくことがとても大切だと感じています。その為に日々のやりとりの中で,目の前でおきている現症ひとつひとつに丁寧に向き合い続けること。その人らしさを取り戻せたかを常に自分に問いかけています。
もちろん,思いだけでは不十分です。急性期は良くも悪くも変化する時期ですので,支援する側もそれに対応する知識や技術を持っていないと,適切な手伝いができない場合が出てきてしまいます。多くの知識を吸収し,努力し続けることはとても大変なことですが,患者さまの回復について行くのではなく,私が導いてあげれるようにがんばりたいですね。患者さまの「できた!」の笑顔が一番の喜びであり私の原動力です。

ある日の小野寺さん

8:00 出勤 少し早く出勤して,その日担当する患者さまのカルテをチェック。現在の状態を詳しく把握します。
8:30 ミーティング リハビリテーション部のスタッフ全員が集まり,その日の業務の流れや注意事項を確認します。
8:40 リハビリ業務 患者さまがリハビリテーションセンターに続々到着。笑顔でリハビリに取り組めるよう,声掛けを工夫しています。
12:00 お弁当 スタッフルームで昼食。病院内のコンビニで買ったり,簡単な手作り弁当を持って来たりするそう。
13:00 リハビリ業務 午後のリハビリがスタート。1日に関わる患者さまは1人10人ほど。できるだけじっくり,丁寧にサポートしています。
17:15 退勤 ほぼ定時に退勤。部内で勉強会や研修会を開くこともあります。